アムスラーチャート

中心性漿液性脈絡網膜症は、ものを見るために大切な網膜の黄斑という場所に水ぶくれができることで、視力が低下したり物が歪んで見える病気です。

この病気は、働き盛りの世代に起こりやすく、男性は女性の3倍の発病率となっています。

  • 視力低下

極端に低下はせず多くは0.5程度までの低下となります。

  • 中心暗点

視野の真ん中あたりが暗くなります。

  • 変視症・小視症

物が歪んで見え、実際より小さく見えます。

  • 色覚異常

実際の色と異なって見えます。

中心性漿液性脈絡網膜症への針灸について

中心性漿液性脈絡網膜症は、自然に治癒して後遺症も残らないことが多いのですが、経過が長引き、再発を繰り返す場合もあるため、視力低下や歪みの程度が強い場合や、程度が軽くても治癒が遅れがちな場合などは針灸施術をお勧めします。

針灸では、循環改善を行い症状の改善を図ります。

発症後の視力低下が0.5までであれば、針灸により改善しやすい傾向があります。

視力が先に回復し、遅れて徐々に歪みも改善していきます。

Mチャート、アムスラ―チャートを使用して歪みの程度を測定していきます。眼科の検査結果をお持ちの方はご持参ください。

浮腫の程度が悪かったり長期間引かなかったりすると、網膜に細かなシワが寄り、浮腫が引いても歪みなどの自覚症状が残ってしまうこともあるため、針灸は早めに適切な回数を受けることをお勧めしています。

施術部位

全身の状態をみながら、首、肩、背中、手足、眼の周囲に針をしていきます。

長年の仕事のストレス(夜勤、激務など)が積み重なって発症することが多いため、治療では心身の緊張を緩めることにも重点を置いています。

施術回数

歪みや視力低下が強い場合:週2回から開始(状態により約1~2ヶ月程度)

歪みや視力低下が中程度以下の場合:週1回から開始

針灸の回数は、眼科で撮影したOCT画像をお持ちいただき、視力やゆがみの自覚症状の検査を定期的に行い、状態を確認しながら週2回→週1回→隔週へと徐々に空けていきます。

歪み等が消失し再発が認められなければそこで治療終了となります。

中心性漿液性網脈絡膜症の病歴のある方は加齢黄斑変性を発症しやすい傾向があります。

加齢黄斑変性へと移行させないためにも、適切な鍼灸施術と日常生活の改善を行うことをご指導させていただいています。

日常生活で気をつけていただくこと

働き盛りの特に30~40歳に起きやすく男性は女性の3倍と高い発症頻度となっています。過労や睡眠不足、ストレスが溜まった時に発症しやすい傾向があります。

仕事が忙しい方は心身のリフレッシュを行うことや、徹夜などをされないよう気を配ってください。

多量の飲酒や水分の摂取などはむくみの原因となり、黄斑部に浮腫が出来やすくなる可能性があるため避けるようにしてください。適度な水分の摂取が大切です。

同様の理由で、喫煙の習慣があるかたは見直す必要があります。

長時間のパソコン作業を行う方や野外での作業の多い方は、網膜を保護するために遮光レンズのご使用をお勧めしています。