顔面神経麻痺(ベル麻痺とハント症候群)

顔面神経とは顔の表情筋を動かす神経であり、顔の片方が麻痺する末梢性顔面神経麻痺をいいます。

顔面神経麻痺のうちベル麻痺は特発性顔面神経麻痺ともいい、原因不明であり、ハント症候群はヘルペスウイルスが何らかの原因(ストレス、過労、慣例刺激)により活性化したことなどで起こると考えられています。

末梢性顔面神経では表情筋も麻痺するため弛緩してしまい、額の皺寄せができない、眼が閉じられないなどの症状が表れます。

顔面神経は味覚にも関与しているため、味覚障害が出ることもあります。

眼科的には眼が閉じられないことから角膜が乾燥し、角膜炎や角膜潰瘍を等の症状が問題となります。充血があるために兎眼とよばれます。

ベル麻痺は約70%で数週以内に正常に治癒しますが、症状の程度や治療開始の時期により回復にばらつきがでます。

ハント症候群はそれより低く回復は約50~60%であるとされています。

針灸施術について

針灸により麻痺した領域の循環を改善を改善させることにより麻痺を回復させていくことを目標にしています。

顔面神経麻痺は、発症直後の刺激は控えたほうが良いため、針灸は発症から1ヶ月ほど経ってから開始します。

検査方法

回復の評価のために、同意をいただけた方に関しては、デジタルカメラで定期的に撮影を行います。前回の状態と比較することができ、バランスよく回復をさせるために行います。

(画像は回復評価のみに使用します。)

施術部位

体の状態を見ながら全身の穴を使います。顔面部や頭部にも細い針を使って施術をしていきます。針の後に顔面に温灸をして回復を促します。

施術の回数

初診~3ヶ月


週1~2回(間隔をつめて回復を促します)

3ヶ月以降~6ヶ月

週1回~隔週(顔の表情のバランスをみながらできるだけの回復を目指します)

ベル顔面神経麻痺への針灸は、およそ半年ほどで終了となります。ハント症候群は回復が遅れるため施術期間は長めになります。

どちらも発症から時間が経ちすぎていると回復が難しくなりますので、針灸をご希望の方は早めの施術開始をお勧めします。