あやめ堂の針灸は比較的落ち着いた状態にあるクローン病、潰瘍性大腸炎が適応となり、手術や入院などが必要である重症の方は適応外となります。
クローン病
クローン病は、大腸や小腸などの消化管に炎症や潰瘍が起きる原因不明の炎症性腸疾患です。
厚生労働省から難病に指定されています。
20代前後の若年に多く発症し再発率も高いです。
症状としては、腹痛、下痢、血便、発熱、倦怠感、体重減少などがあり、関節炎など全身に炎症性の合併症が発現することがあります。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患のひとつで、大腸に炎症や潰瘍が起きる原因不明の疾患であり、難病に指定されています。
クローン病との違いは炎症が大腸で起こることです。
過敏性腸症候群
炎症性がないにもかかわらず、腹痛や便秘、下痢が続く症状で、原因ははっきりしませんが、ストレスや自律神経などと関係があるとされています。
症状が強いと日常生活にも支障がでてしまうこともあります。
炎症性腸疾患と針灸について
食生活の不摂生や不規則な生活を続けると、脾の運化作用の働きが悪くなり消化吸収に影響を与えます。
長期間続くと湿熱が溜まり、栄養の偏りから体内に冷えの侵入を許してしまいます(寒湿)。
よって施術は熱を鎮めて寒さを補う方法を用います。
環境要因もよく関係しており、精神的疲労へのアプローチも大切であるため、同時に施術を行います。
針灸では、免疫機能のバランスを元に戻すこと、腸での栄養吸収高めること、下痢を起こしにくくすること、精神疲労を軽減させることを目的として施術を行います。
針灸とレミケード、フュミラー、イムラン等について
レミケード、フュミラー、イムランは免疫を押さえ込む作用、針は免疫を活性化させバランスを整えるため、レミケード等と相反してしまい効果が弱まる可能性があります。
また、レミケードの効果があるうちに薬の使用を中止してしまうと、39度以上の高熱が続き不安定になってしまう可能性もあります。これは体力の落ちている方や、お仕事をされている方は耐えられません。
これらの薬を使用されている方の針灸の併用は注意が必要になるため、問い合わせをされるときにご相談ください。
施術回数
クローン病、潰瘍性大腸炎は状態によりますが、長期の施術が必要になります。
必要に応じて週2回からスタートし、体重の増加が順調にみられるなど落ちていて来たところで週1回に移行していきます。
施術回数は大切ですが、週2回の通院が難しい方はご自身でもお灸をしていただくように指導をします。
過敏性腸症候群は、推測される原因(自律神経失調、ストレス)に対して施術を行います。
週1回程度から開始し、改善がみられたら間隔をあけていきます。
漢方との併用
クローン病、潰瘍性大腸炎は針灸と漢方薬の併用をお勧めしています。
来院時にお伝えいたします。
クローン病、潰瘍性大腸炎は、生活環境と症状が関連しているように感じます。
腸に負担を掛け過ぎないように食生活だけではなく、ストレスを長期に溜め込まないような生活が望ましいため、少しずつ上手に発散していけるようにライフスタイルを変化させていくことも大切です。