糖尿病網膜症の視覚イメージ

糖尿病は合併症とくに腎臓や神経、そして目(糖尿病網膜症)に現れることが多く、これらは三大合併症といわれます。

糖尿病網膜症は定期的な眼科の検査を受け、糖尿病の治療やコントロール、眼科の適切な治療を続けていれば防ぐことができますが、糖尿病を放置してしまっている人が少なくなく、失明原因として上位を占めています。

網膜症とは何らかの理由で網膜が傷められ、視機能が低下する病気ですが、網膜症が起きる大きな原因として、糖尿病があげられます。

糖尿病で網膜症が起こる理由は、糖尿病が血管の病気であることに関係があります。血糖値が高い状態では血管に多くの負担がかかり、血液の流れが悪くなってきます。

網膜には細かい血管が多くあるため、高血糖の影響を非常に受けやすいのです。

コントロールがうまくできていていない糖尿病での網膜症の発症の目安としては、糖尿病発症後の約5年で網膜症が発症し、10~15年で約50%が網膜症に罹ってしまうという報告があります。

糖尿病網膜症は無治療では、単純糖尿病網膜症→増殖前糖尿病網膜症→増殖糖尿病網膜症へと進行していき新生血管も認められるようになります。

注意すべきことはかなり進行していても自覚症状がほとんどなく視力も末期になるまで保たれることが多いため、放置をしてしまうことです。

自覚症状がなくても治療を受けなければ進行していくため、診断を受けたら必ず治療を受ける必要があります。

糖尿病網膜症には、白内障、血管新生緑内障、調節麻痺、眼球運動障害などの合併症のリスクもあり、適切な治療を受ける必要があります。

針灸施術ついて

針灸により全身や眼の循環障害を解消していくことで長期間の視機能の維持を目的にしていきます。

視力検査、簡易的視野検査、Mチャートで状態を確認していきます。

眼科の検査結果(眼底写真、OCT、視野検査の結果など)をお持ちでしたらご持参ください。

施術部位

問診や全身状態、検査結果などから治療穴を決定します。

治療回数

初診~3ヶ月

週2回~1回(回数は程度により決定します)

3ヶ月以降~

週1回~隔週(視機能の維持のために定期的に行います)

気をつけていただくこと
生活習慣の改善が大切です

糖尿病網膜症の元には糖尿病があることから、原因疾患である糖尿病の管理が大切です。

適度な運動は必要ですが、新生血管がみられる場合などは激しい運動はリスクがあるため避けてください。末梢の血流の改善のために、ウォーキングをお勧めしています。

針灸で循環の改善を行っても、もとの糖尿病の血糖コントロールができていないと病気は進行していきます。

糖尿病網膜症で症状が表れるときはかなり進行してしまっています。そのため、症状が表れる前に食生活、特に飲酒や喫煙を少しずつ減らしていくなど生活習慣を改善も大切になります。

糖尿病網膜症の方は、程度によりますが火傷のリスクを下げるためにお灸の使用は控え、針や温度管理のできるローラー針などで血行の改善を促します。